大学チャンネル.com » 2013年12月1日アップ » 第3回 “プレゼン”で未来を切り拓く

コラム

宮地勘司の表す伝えるプレゼンテーション入門

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第3回 “プレゼン”で未来を切り拓く

第3回 “プレゼン”で未来を切り拓く

日本のオリンピック・パラリンピック招致委員会のプレゼンが世界の注目を集めました。表情豊かに、身振り手振りを交えながら、言葉に抑揚をつけてプレゼンする姿は、これまでの話し下手の日本人のイメージを払拭するもので、メンバーがここまでに積み重ねた努力は相当のものだったと思います。劣勢との前評判を見事に覆し、2020年のオリンピック・パラリンピック東京開催を勝ち取ったのは、彼らのプレゼンの成果でしょう。「ヴィジョンを描き、論拠を示し、物語を盛り込み、入念に準備を重ねて、本番で情熱を示す」。まさに渾身のプレゼンで現実を動かしたのです。皆さんもプレゼン力を向上させることで、自分の望むような未来に近づくことができます。「お小遣いの値上げを勝ち取る」「学園祭で自分たちの企画を通す」「希望の大学に入る」「WEBを使って新しい事業を起こす」「世界の貧困を救う」̶̶例え一人では出来なくても、すぐにはムリでも、多くの人があなたの考えに賛同することで、いつか自分の望む現実をつくり出すことができるのです。
プレゼンにはさまざまな力を必要としますが、ここでは、①「妄想力」、②「理屈力」、③「表現力」という、3つの主な力を紹介します。

①「妄想力」とは、「こんなものがあったらいいな!」と日々常に妄想する力です。これは道を歩きながらでも、お風呂に入っているときでも、いつでもできます。人間が想像できることは、必ず実現できる可能性があります。飛行機も、ケータイも、日本のプロサッカーリーグの立ち上げも、誰かの妄想から始まりました。大切なことは、何かいいことを思いついたらそれをそのまま放置せず、書き留めて、人に話を聞いたり、調べたりしながら、アイディアを磨き込んでいくことです。知らず知らずの間に、ちょっとした妄想がだんだん現実味を帯びていきます。「妄想」が「構想」へと成長していくのです。ワクワクしながら絵でも描くように、細部まで克明に描き込んでいきましょう。

②「理屈力」は、あなたが育てた「構想」へ向けて、今の現実から橋を渡す力です。ぽっかりと中空に浮かんだ構想は、夢のように素晴らしいものです。でも、それだけに現実との距離があります。この距離を埋めていくのが理屈の力です。「構想」はあなたの思いでかまいませんが、「理屈」は多くの人を納得させることが必要です。「確かにそうやれば実現できるかも?」とか、「そもそもやる意義はそこにあるんだ!」と思ってもらう必要があります。できるだけ多くの人に「理屈」の橋を渡ってもらい、あなたの「構想」をその人自身のものにしてもらうのです。穴や段差がなく、多少の雨風では壊れない堅牢な橋をつくることが大切です。

最後に、③「表現力」です。素晴らしい「構想」で、いくら「理屈」が通っていても、「感動」がないと人は動かないものです。そのためには、あなたが考えていることをどれだけ魅力的に伝えることができるかがとても大切です。そこで必要になるのが「感性」の力です。この感性の力を磨くには、できるだけ多くの芸術に触れ、あなた自身が感動体験をすることです。映画をたくさん観ることもいいでしょう。映画やテレビを観るときは、つくり手の意図や工夫に思いを馳せて観ることで、きっと多くの学びがあるはずです。
いかがでしょうか? こんなふうに考えて日々を過ごすだけで、皆さんの行動が変わり、頭や心の中が変わっていくと思いませんか? プレゼンの力を磨くことで自分自身を変えて、自らの未来を切り拓くのです。
皆さんのこれからの健闘を祈ります。

プロフィール
宮地勘司(みやじ・かんじ)
(株)教育と探求社代表取締役社長。全国で1 万人の中高生が学校の授業の中で実在の企業や人物を題材に「生きる力」を学ぶプログラム「クエストエデュケーション」を提供し、その1 年間の取り組みの成果発表を行う「クエストカップ」を主催。法政大学キャリアデザイン学部で講師を務める。 (株)教育と探求社ホームページ http://www.eduq.jp/