大学チャンネル.com » 2013年9月1日アップ » 第2回 攻撃的読書の具体的な進め方

コラム

河本敏治の本を読め!元気になる知的格納庫

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第2回 攻撃的読書の具体的な進め方

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 前回は、現代的な大学の姿を紹介し、攻撃的読書がなぜ重要になるのか、その背景について解説をしました。今回はその方法を明らかにしていきますが、ここで「攻撃的」と称しているのは訳があります。というのも、ここで言う読書とは、人から与えられるものではなく、自分でつかみとるものだからです。
 携帯端末の急激な発展と広がりが理由なのか、読書に距離感を持つ高校生がとても増えたように思います。読書が嫌い、本を読まない、そして「何かお勧めの本を紹介してください」というあまりにも軽い質問。こういった思いや発言に接することが増えました。
 その奥底には、圧倒的なまでの受け身の精神が存在することが多くあります。ここでは心が働いていないのです。本を読むことで最も大切な心が動くこと、それがなければ読書の効果などあるはずもありません。ならば、どうすれば心が動きだすのか─その鍵はインターネットの中にあります。以下に具体的な手順を示しましょう。

1.書籍販売サイトを開く
2.検索欄に書名を入れるのではなく、進学したい学部名、学科名、専攻名を入れ、さらに「新書」という言葉を加え、検索する(例:「法学部 法律学科 新書」という形です)
3.次々と本が登場するので、中身検索やレビュー(読者による感想文)を読み、面白そうな本を5冊から10冊、ピックアップ
4.その本を入手し、ひたすら流し読みする
以上が作業の第一歩です。

 詳しく確認していきましょう。まず「新書」とは本の型の一つで、文庫本よりも大きく、さまざまなテーマに関する、主に初学者向けの解説をまとめたものです。もちろんいいものもあれば悪いものもあり、中には内容的に問題があるものも少なくありませんが、レビューを良く読み、できれば大学の教員によって書かれたものを選択すれば、それほど大きな間違いは起こらないはずです。また、本を入手するのも、新品で揃えようとすると相当な費用がかかりますが、「中古で買う」を選択したり、図書館で借りたりすれば、コストはそれほどかかりません。大切なポイントは5冊から10冊の本を揃え、「一気に読んでいく」こと、そして決して「熟読しない」ということです。むしろ「流し読み」が推奨されます。我慢しない、次々と読み飛ばす、読みたくなったら逆に我慢する。これは、じっくり読んでしまったために、閲覧する本の数が減り、もっと深い意義を持つ別の本との出会いがなくなってしまうことを避けるためです。
 つまり、「じっくり読むための本を選択するために流し読みをする」のです。あるいは、1冊全部読まなくとも、この中の20ページに感動した、ということでもかまいません。とにかく心の動く箇所を探し、その箇所、その本を徹底して大切にすることです。
 そして、この段階までくれば、読むのが嫌い、読書が苦手という意識は払拭されます。心が動くところだけを読んでいるわけですから、読むのが嫌だなどという思いは浮上しません。
 そもそも大学の探求は読書が基盤になるわけですから、このように心が動く読書は非常に重要なはず……ということで、攻撃的読書の一端を皆さんに紹介しましたが、この方法はさらに深みがあります。続きは次号で!

プロフィール
河本敏浩(かわもと・としひろ)
(社)全国学力研究会理事長、思考計画(株)代表取締役。1967年生まれ。同志社大学文学研究科新聞学専攻修士課程修了。予備校講師を経て教育コンサルタント会社を起業。年間100回以上の講座・講演を全国の高校などで行っている。著書に『名ばかり大学生』など。