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“入りたい大学” へ!女子大学の実力編

 女子大学、女子短期大学に入学できるのは女性のみ。
 全国の4 年制大学に占める女子大学の割合は1 割程度だが、ここ数年、高い就職率を維持している女子大学の実績が注目され、低迷していた「女子大人気が復活した」とも言われている。
女子大学・短期大学の魅力と、その実力を探ってみたい。

歴史を刻み、独自の教育を展開する個性的な女子大学

 大学が男子学生のみを対象とする教育機関だった明治時代、日本で初めて女性のための専門的教育や高等教育を担う学校である「女子大学」がスタートした。以来、1世紀以上にわたる日本の女子高等教育の歴史の中で、多数の個性的な女子大学が全国各地に誕生し、それぞれに独自の教育を展開してきた。

 4年制女子大学(以下、女子大)は、1998年の98校をピークに減少傾向が続き、現在は全国に78校(国立はお茶の水女子大学と奈良女子大学の2校、公立は群馬県立女子大学と福岡女子大学の2校、私立は74校)。そのうちの4割以上が首都圏にあり、日本の女子大の4分の1以上が東京に置かれている。

 近年の少子化の影響もあり、特に地方では女子大の共学化(とそれに伴う名称変更)が多数見られたが、首都圏に創立されて歴史を刻み続け、建学の理念や自らのアイデンティティーを貫きながら、時代に応じて進化してきた女子大が多いことを数字が示しているのかもしれない。

バラエティ豊かな学びと資格志向、実学志向の魅力

 下記の表からもわかるとおり、女子大学には人文科学や家政学系統を中心に、教育学系統、社会科学系統、医学系統、芸術学系統、理学系統などのバラエティに富んだ学部・学科が設置されている。見当たらないのは、工学系統と農(園芸を除く)・獣医畜産・水産学系統くらいで、学びの選択肢は多彩に広がっている。

 今、“リケジョ”こと理系女子が注目されているが、理系学部・学科を持ち、女性研究者の養成や支援に積極的に取り組んでいる女子大は少なくない。お茶の水女子大学、津田塾大学、東京女子大学、日本女子大学(五十音順)の4女子大学共催で、女子中高生に科学の面白さや楽しさを伝えることで、理系分野への女性の進出促進をねらったイベント「サイエンスフェスティバル」は2007年にスタートしたが、既に7回(年1回)開催されている。

 そして、資格取得に直結しやすい学部・学科が多く設置されていることも女子大学の特色の一つ。下記のの表に示したように、女子大、女子短大で取得が目指せる資格は、国家資格(国家試験受験資格)をはじめ多種多様。さらに、各種国家試験の合格率や合格者数などが常に全国上位にランキングされている女子大学も少なくない。資格志向、実学志向の高まりの中で、“資格に強い”“社会人として役立つ技能が身につく”ことは大きな魅力であり、資格取得という目的のために女子大学で学ぼうと考える動機付けにもなるだろう。

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教養教育、国際教育も充実し少人数で親身の指導

 キリスト教(ミッション)系の女子教育機関を起源とする女子大学はいくつもあるが、その中には外国語教育に優れた実績を持ち、国際性の高さで定評のある女子大学や、人格教育を伝統として豊かなリベラルアーツ(教養教育)を掲げている女子大学も目につく。そこで養成される高い語学力やコミュニケーション能力は、就職活動はもとより、その後の社会生活にも必ず役立つはずだ。

 特に伝統ある女子大学では、創立以来、女性の経済的自立のための専門教育・職業教育を行ってきた。充実したキャリアサポートや就職支援が期待できるのは、長い歴史の中で、その時代に対応したキャリア教育を実践し続けてきたバックグラウンドと実績を持つ女子大学だからこそ。国家試験をはじめとした多様な資格取得対策なども同様で、それが高い合格実績に結びついているのではないだろうか。

 また、女子大にはいわゆるマンモス大学は存在しない。多くが単科大学や1~3学部ほどの小規模・少人数で、1学年100人~数百人程度。それに、1学年の入学定員が1,000人を超える比較的大規模な女子大でも、学科やゼミなどは少人数制になっていることが多い。設置規模にかかわらず、教職員と学生、学生同士の距離の近さや、一人一人の学生に目が行き届く少人数教育を重視し、“面倒見のよさ”が発揮されていることも、女子大の特徴と言えるかもしれない。

 それらの要因が相まって、学生を成長させながら社会人基礎力の養成を促し、就職活動でいい結果を出すことができる“高い就業力”を実現させているのだろう。景気の低迷が続き、大学生の就職状況が厳しいと言われる中でも、高い就職(内定)率で注目される女子大がいくつもあり、就職というキーワードから、改めて女子大の教育力が見直され始めている。特に2013年度入試では首都圏の著名な女子大の志願者数が増加したこともあって、「女子大人気の復活」や「実力ある女子大への期待」が話題になった。

キャリア教育の伝統を持つ女子大学の確かな存在感

 現在、日本には「女子だけが学べる女子大学」はあっても、(男子のみが入れる)男子大学は存在しない。女性の社会進出が進み、女子教育の在り方も変化しているが、社会的に自立した女性の育成を目指して、ライフデザインまで含めたキャリア教育にしっかりと取り組み、独自性の高い女子教育の伝統を貫いてきた女子大、女子短大は確かな存在感を示している。

 よく女子大学の“良さ”として挙げられるのは、「自然体で伸び伸び過ごせる」「密接な人間関係が築ける」「リーダーシップが発揮できる」「協調性が身につく」といった点。さらに、卒業生や先輩の姿から「目指すロールモデルが見つけやすい」というメリットも見逃せないだろう。「女子大学という選択肢」を検討するなら、まずは、それぞれに個性も雰囲気も異なる女子大、女子短大の今を、ぜひ一度キャンパスを訪れて確かめてほしい。

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