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大学&入試が基礎からわかる

 大学ってどんなところ?大学入試って大変そうだけど……!?
 日本には800校近くの4年制大学と300 校を超える短期大学があり、設置されている学部・学科は実に多彩。さらに、入試制度も更新され続けている。
 かなり複雑そうな感じがする“大学、学部・学科の選び方”や“大学の入り方”だけど、怖れず、面倒くさがらず、まずは基礎から押さえておこう。情報を集め、調べ、知ることが、「これだ!」と思える大学や学部・学科、自分に合った入試を見つけるきっかけになるはずだから。

大学の修業年限は4~6年短大は2年または3年

 学校教育法第83条には、「高等学校または中等教育学校を卒業した者などが入学できる」高等教育機関の「大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする」と定められている。「修業年限は、4年とする」(夜間の課程は4年以上)とあり、医学、歯学、獣医学と、薬学の薬剤師養成を目指す課程は6年で、卒業した者は学士となる。

 また、「短期大学は大学の一種である」とされ、主な目的は「深く専門の学芸を教授研究し、職業又は実際生活に必要な能力を育成すること」。「修業年限は2年または3年」で、卒業すると短期大学士になる。大学には「学部」や「学部以外大学の修業年限は4~6年短大は2年または3年の教育研究上の基本となる組織」が置かれ、さらに高度な学術の教授研究のために大学院を置くことができる。一方、短期大学(以下、短大)には「学科」が置かれ、大学院を設置することはできない。

 文部科学省「学校基本調査」によれば、2013年度に高校を卒業した現役生のうち、約半数の47.4%が大学に、5.8%が短大に進学している。その受け入れ先の設置者別の構成(2013年の学生数の割合)は、国立大学が約20%、公立大学が約5%、私立大学が約70%、公立短大が約0.25%、私立短大が約4%。つまり、大学生全体の約4分の3が私立大学・短大で、約4分の1が国公立大学・短大(ただし国立短大は0校)で学んでいることになる。

 設置数で見ると、日本の全大学782校の8割近く、全短大359校の約94%(ともに学生募集停止中の大学を含む)が私立だ。私立大学が第一志望で私立専願を考えている人のみならず、特に現役での大学進学を目指すなら、国公立大学志望者でも、併願の可能性がある私立大学についての情報チェックをしておくようにしよう。

目指す職業に直結した学部と「学びたいこと」から選ぶ学部

 大学には、さまざまな学部が置かれている。一般的に教育・研究は専攻する学問分野別に組織された学部(学群なども)単位で行われる。学部は、専攻分野がさらに細分化された複数の学科(課程、コースなども)で構成される場合も、単一学科の場合もある。

 高校の文理選択のように、かなり大まかに「文(科)系」と「理(科)系」とに分ける場合もあるが、文系といっても、文学、史学、哲学関係などを学ぶ人文科学系統と、法学・政治学、商学・経済学、社会学関係などを学ぶ社会科学系統の違いがあり、理系も、理学、工学、農学、保健、商船、家政といった系統に分けられる。また、教育系統には文理の両方の学科・専攻などが含まれるし、文理融合型の学際系や、いずれにも属さない芸術系もある。専門学科以外は普通科とひとくくりになっている高校とは異なり、わかりにくいことも確かだ。

 ただし、医師、歯科医師、看護師をはじめとする医療分野の専門職養成課程や、教員養成課程のように、専攻分野が大学卒業後の職業と直結した学部・学科もあるが、それ以外は、大学での学びが将来の職業とストレートに結びついているわけではないことが多い。特定の学部・学科(専攻)で学ばなければ就くことのできない職業を目指す場合は進学先が限定されるが、そうでなければ、まず、「大学で学びたいこと」を見つけ、それを学べる学部・学科を探してみること。そして、大学進学後に自分の興味・関心を追究しながら、そこから目指せる職業にたどり着くこともできる。

 自分が「なりたいもの」を目指すこと、「やってみたいこと」を考え、「学びたいこと」を見つけることが、進むべき学部・学科や、それを学ぶ大学選びのきっかけになるはずだ。

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学部・学科の名称は多種多様わからなければ調べてみること

 下記に掲載した一覧のように、大学に設置されている多彩な学部は、いくつもの学科系統別に分類される。似通った名称でも同じ系統とは限らないし、特に近年は新設される学部・学科の名称のオリジナル化(その大学にしかない、唯一の)傾向もあって、名称か学部・学科の名称は多種多様わからなければ調べてみることら内容や系統を想像することが難しい場合も多い。

 各大学の卒業生(学士)に、卒業証書とともに与えられる学位記には「学士号」(専攻分野名:通例は学部名など)が記されるが、その名称は今や600種類以上とも。学科の名称数は千数百にもなっているという。同一名称でも、それが学部名か学科名かによって意味合いが違うこともあるし、学部名と学科名の組み合わせも大学によって多種多様だ。それに、今後もさまざまな変更が続くかもしれない。だからこそ、わからなければ調べてみること、簡単にわかったつもりにならないことが大切だ。

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系統によって異なる就職率理系は大学院進学率にも注目

 学校基本調査による2013年の大学の学生の構成比を見ると、全体の約3分の1を社会科学系統が占め、いわゆる文系(人文科学系統と社会科学系統の合計)が半数近く(教育系統の文系を含めると過半数)。理系では、工学が約15%で、理学、農学、薬学、家政が各3%程度、医学と歯学を合わせて約2.7%となっている。少子・高齢化が進む社会のニーズに添った学部・学科の新増設・再編の傾向や、募集定員の増減の動きは見られるものの、現在の構成比が短期的に極端に変わることはないだろう。

 2013年3月の大学・短大卒業生数は大学が558,853人(男子308,817人、女子250,036人)で、短大は62,375人(男子6,345人、女子56,030人)。就職率(卒業者数のうち就職者数の占める比率)は、大学が67.3%(男子62.3%、女子73.4%)、短大が73.5%(男子54.0%、女子75.7%)で、大学より短大、男子より女子が高かった。

 大学の関係学科別では、医・歯・薬学を除く保健(その他:看護、医療・福祉系など)の87.2%が最も高い。次いで家政80.7%、薬学78.8%、教育74.9%、社会科学74.4%で、資格取得系、専門技術系の“就職の強さ”が表れた結果となっている。

 一方、文系に比べて「就職に有利」と言われることの多い理系の学部卒業生の就職率は、理学43.2%、工学53.0%、農学60.7%で、一見、低調に思える。ただし、理学は卒業生の4割以上(約43%)、工学は同3分の1以上(約36%)、農学は同4分の1程度(約24%)が大学院に進学しており、大学院進学者を除く人数を母数にすると、理学は約75%、工学と農学は約80%の就職率になる。理・工・農学系統の進路を考えるなら、医・歯・獣医・薬学系統と同様、大学院修士課程(2年間)までを含めた6年間の修業期間を当初から想定しておきたい。

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私立大学の学生納付金は大学、学部によって大きな差が

 私立大学と国公立大学の大きな違いは学費(学生納付金)面にも表れている。入学時にのみ必要な入学料は私立の医歯系学部を除けば、大きな差はないが、授業料は、私立で最も安い文科系学部でも国公立大学より20万円ほど高い。

 また、全ての国公立大学の授業料は、どの学部・学科もほぼ同額(大学ごとに一定の範囲内での増減は可能)。これに対して、私立大学の授業料は大学ごとに異なっているうえ、学部間の差もかなり大きい。平均額を比べると、医・歯学部が突出して高く、薬学部、芸術系学部も高めだ。志望大学、学部・学科が見えてきたら、できるだけ早い段階から、卒業までにどのくらいの費用がかかるのかも調べておいたほうがいいだろう。

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多様化する大学入試を調べ力を発揮できる方式を探る

 大学に入るためには各大学の入学者選抜試験(大学入試)を受けなければならない。大学入試は、一般入試、推薦入試、アドミッション・オフィス(AO)入試などとして実施される。

 大学入試センターが実施する大学入試センター試験(センター試験)は、全国公立大学では一般入試で必須の1次試験となっており、推薦・AO入試で課されることも少なくない。また、全多様化する大学入試を調べ力を発揮できる方式を探る私立大学の9割近くでセンター試験を利用した一般入試が実施されている。大学、学部・学科によって、センター試験で利用する教科・科目の指定が異なり、組み合わせは複雑で多岐にわたっているが、国立大学の約9割、公立大学の7割近くが5教科型。一方、私立大学では、1~数科目の出願科目の得点のみで合否判定されることが多い。センター試験を受験しておけば、併願大の合格チャンスの拡大も期待できるため、受験生の約8割がセンター試験を受験している。

 下記には大学入試スケジュールの目安を示したが、私立大学入試の出願・実施時期は一般的に、AO入試、推薦入試、センター試験利用型の入試、一般入試の順。センター試験は検定料払い込みから出願、実施まで、決まった日程に従って行われる。

 それに、さまざまな選考方法がある推薦入試やAO入試では、出願の際に高い評定平均値を求められる大学もあるので、なるべく早いうちからの準備を心がけたい。どの時期に何をすべきかをチェックし、スケジューリングを考えながら、準備を進めよう。

 大学入試の多様化が進み、国公立大学、私立大学ともに入り方は複線化している。特に私立大学の一般入試は新たな入試方式が次々と登場し、複雑化するばかり。志望する学部・学科には、どんな入り方があるかを調べ、自分が最も力を発揮できる入試方式を探ることにも、しっかり取り組みたい。

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