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“合格できる 大学入試”を選ぶ!

“合格できる 大学入試”を選ぶ!
大学入試の多様化・複雑化は止まらず、学部・学科(の名称や内容)は多彩さを増すばかり。
誰もが大学に入りやすい時代になったと言われる一方、“大学、学部・学科の選び方”や“大学の入り方”は、それほど単純ではない。
自分が“入りたい大学”への“入り方”を知ること、最も力を発揮できる“自分に適した入試”を選ぶことで合格はグンと近づくはずだ。
大学入試の仕組みを理解して、“合格できる入試”を見極め、しっかり対策を進めよう!

一般入試以外での入学者が過半数を占める4年制私立大学

2014年度高等学校卒業者(現役生)の状況(%)

8月に速報が公表された文部科学省の学校基本調査(毎年5月1日現在の調査。確定値は12月公表)によると、2014年度高等学校卒業者(現役生)の大学・短大等進学率は53.9%で、前年度より0.7ポイント上昇した。また、専門学校(専修学校の専門課程)進学率は前年度と同じ17.0%。つまり、高等学校卒業者の7割以上が現役で高等教育機関に入学していることになる。一方、就職率は17.5.%で、前年度より0.6ポイント上昇した。

昨年10月に文部科学省が公表した「国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」では、2013年度入試の4年制大学入学者のうち、学科試験が課される一般入試での入学者は全体の約56%(前年度もほぼ同じ)。私立大学(4年制。以下同様)では、一般入試による入学者は約49%(前年度もほぼ同じ)で、推薦入試やAO入試での入学者が過半数を占めている。

中央教育審議会の「(AO入試など)学力検査のない入試方式の拡大が大学生の学力低下の一因になっている」との指摘を受け、2010年度まで、国公立大学では推薦・A0入試の定員を削減する動きが見られた。これに対して私立大学では、少子化が進む中での学生獲得のため、年々、推薦・AO入試の定員を増やし続けてきた。

ところが2010年度以降、国立大学のAO入試による入学者の割合は微増傾向を見せ、私立大学ではAO入試、推薦入試ともに入学者の割合が微減傾向にあった。それが2013年度は、国立大学ではAO入試による入学者の割合が2.6%(前年度は2.9%)と減少し、私立大学では前年度の10.2%から10.3%と微増に転じた(推薦入試による入学者の割合はほぼ同じ)。

2013年度入試の入試別入学者数
2013年度入試の入試別入学者数

センター試験の活用次第で私立大学の合格チャンスが拡大

センター試験は、ほとんどの国公立大学志望者にとって避けて通ることのできない第一関門だが、センター試験に参加する私立大学は増え続け、今年度も過去最多を更新。2015年度入試でセンター試験に参加する大学は691校(国立82、公立84、私立525。2014年3月末日現在の予定数)。

たとえ私立大学専願でも、センター試験を受験しておけば、複数の大学の学部・学科に出願しやすくなり、併願も可能になる。出願数に応じた受験料は必要だが、多くの私立大学ではセンター試験利用(型)入試の受験料が一般入試より安かったり、同じ大学の複数の学科や異なる入試方式に出願する場合に割引制度を適用したり、配慮されていることも。

ただし、各大学での教科・科目の指定は複雑で多岐にわたり、とりわけ私立大学のセンター試験の利用方法は大学、学部・学科によって大きく異なる。志望先の募集要項をしっかり確認してから、受験教科・科目を決めよう。また、2015年度入試でセンター試験を受験するためには、10月9日までに検定料の払い込みを終えるとともに、現役生は在籍する高校経由で出願手続きを済ませる必要がある。それぞれの期日に遅れないように注意しよう。

私立大学入試の出願スケジュールは通常、AO入試(〜9月頃)、推薦入試(〜11月頃)、センター試験利用型の入試(〜1月中旬頃)、一般入試(〜2月上旬頃)というのが目安だが、今は、複数の出願時期の設定や、3月下旬まで出願可能というケースも珍しくはない。ただし、出願時期が遅い入試は、募集定員がわずかなことも多いため、安易に考えることは禁物だ。

もし、「志望大学、学部・学科は決まっていないが、AO入試や推薦入試をねらいたい」と考えるなら、出願時期が一般入試よりも早めだということを忘れず、できるだけ早くから情報収集や対策を始めるようにしよう。

センター試験を利用する2015年度入試の一般的な流れ
センター試験を利用する2015年度入試の一般的な流れ

多様なタイプがある推薦入試は出願条件、選考方法にも違いが

推薦入試の「推薦」は出願の際、在籍もしくは出身高校の学校長の「推薦書」が求められることに由来する。現在は多種多様な推薦入試が実施され、自己推薦入試のように「(学校長の)推薦書不要」の推薦入試も多い。

推薦書が必要な推薦入試は、大学が指定する高校の生徒に限って出願が認められる「指定校制推薦入試」と、大学が定めた出願条件を満たした生徒が出願できる「公募制推薦入試」に大別されるが、国公立大学は基本的に全て公募制。指定校制は私立大学のみで実施され、ほとんどの私立大学が指定校制と公募制を併用している。また、公募制推薦入試には、学業成績を評価する「一般(公募)推薦入試」と、スポーツや文化活動などの実績を評価する「特別(公募)推薦入試」があるが、一般推薦入試は、評定平均値が志望校の定めた成績基準を超えていないと出願できない場合が多い。

なお、指定校制、公募制ともに、推薦書とともに評定平均値(全体の評定平均値)や学習成績概況、出席状況、特別活動の記録などが記載された「調査書」の提出が求められる。

評定平均値と学習成績概評
評定平均値と学習成績概評
いろいろな推薦入試
いろいろな推薦入試
推薦入試の選考方法
推薦入試の選考方法

長い時間をかけて実施されるAO入試には注意が必要

志望大学で学びたいという受験生の意欲や目的意識、入学後の可能性を見つめるAO入試は、高校時代の成績ではなく、受験生の“未来を評価”しようというものだ。4年制私立大学ではAO入試での入学者が約1割を占めるが、出願要件や選抜方法は大学(採用している方式)ごとに大きく異なる。

まずは募集要項等を詳細にチェックして内容をしっかりと理解した上で、チャレンジすることが肝心だ。エントリーするためには、オープンキャンパスや入試説明会などへの参加が必須となっている場合もあるため、開催スケジュールも調べておこう。

AO入試の魅力の一つは、個別学力試験を受けずに挑戦でき、自分の個性に合った大学をじっくりと選べること。ただし、1回の試験で合否が決まる入試とは異なり、さまざまな側面から受験生を丁寧に、総合的に評価するため、選抜には長時間(期間)を要する傾向も強い。複数の大学に出願したが、それぞれの選考に時間がかかったあげく、1校も合格できなかったということにならないように注意しよう。

私立大学では、かなり長期間にわたってAO入試を実施している大学がある一方で、推薦入試の出願が始まる前にAO入試を終えてしまう大学も少なくない。また、国公立大学や人気の高い難関私立大学のAO入試は、高い評定平均値が求められたり、学力面を含め、かなり高い基準が設定されていたりもする。推薦入試やAO入試は決して安易に考えず、「いざという時は一般入試への切り替えもできる」ことを前提にした対策を考えておいたほうがいいだろう。

推薦入試とAO入試の比較
推薦入試とAO入試の比較

私立大学の一般入試は多様化、複雑化の一途をたどってきた

私立大学の一般入試は長い間にわたって3教科型が中心で、文系学部では「英語(外国語)と国語が必須で、地歴・公民、数学から1教科選択」、理系学部では、「数学、理科、英語」が課されるタイプが一般的だった。

それが近年は、文系学部は「英語か国語が必須。他に1科目選択」もしくは「任意の2科目を選択」という2科目型、理系学部は「数学、英語」や「数学が必須。理科と英語から1科目選択」などの2科目型の割合も多くなっている。あるいは文系・理系ともに「指定の1教科のみ」「指定教科の中から選択した任意の1教科」「受験した複数教科のうち高得点の1教科」で合否判定が行われる1教科型さえも珍しくない。

そして、私立大学のセンター試験利用型の入試では、一般入試で課されることの多い1〜3教科の出願科目の得点のみで(個別試験が課されずに)合否判定される場合が大半だ。

大学側の「受験生が少しでも有利な方式で受験できるように」という配慮は、地方(学外)入試の実施(入試会場の複数化)、異なる日程・方式の実施(同じ学部・学科が複数回受験可能に)、同じ試験科目の配点を出願日によって変える入試(得意科目が活かせる出願が可能に)といった受験機会の複数化にも及んでいる。また、一度の受験で同じ大学の学部・学科が併願可能になる「複数(全)学部統一入試」を採用する大学も増えている。

私立大学一般入試のタイプ
私立大学一般入試のタイプ

入りたい大学、学部・学科にはどんな“入り方”があるのか

大学全体としては現在、志望者全員が入学できる収容力(入学定員)を持ち、選り好みしなければ「入れる大学」がある“ほぼ全入”時代を迎えている。ただし、多くの人が「入りたい(と希望する)大学」の競争は依然として厳しい。私立大学では特に、高倍率になりやすい人気の高い大学と、「誰でも入れるレベル」と見なされて受験生に敬遠され、定員割れを起こしている不人気な大学の二極化が進んでいる。

2015年度に新増設される首都圏の主な大学、学部・学科を掲載した。このところ、看護系をはじめとした「資格の取れる」「就職動向が堅調な」学部・学科が受験生の人気を集めている。しかし、めまぐるしく変化し続けている現代社会で、4年(あるいは6年)後に大学を卒業した時、どんな職業の人気が高いのかを予測することは難しい。「資格が取れる」点だけでなく、本当に「その資格を活かした仕事に就きたいのか、その仕事に適性があるのか」を検討することが大切だ。

まずは、自分が学びたいこと、やってみたいと感じたことを手がかりにして、それは、どんな大学、学部・学科なら実現できそうかを調べてみよう。そこから、「入りたい」と思える大学や、「学びたい」と思える学部・学科を探し、見つけたら、できるだけ早い段階から、どんな「入り方」があるのかを調べて、入試制度についての情報収集をスタートさせよう。

多様化、複雑化の一途をたどってきた私立大学入試におびえることなく、自分が最も力を発揮できる入試を見つけて挑むには、情報収集と仕組みの理解が重要だ。その基本は募集要項をしっかり読み込むこと。挑戦したい入試を選び、どんな力をつければいいのかを知ることが、合格可能性を広げるスタートラインになるはずだ。

2015年度に新増設される首都圏の主な大学の学部・学科
が新増設される学部・学科
2015年度に新増設される首都圏の主な大学の学部・学科
※設置認可申請中および2014年4月~6月設置届出分。新たに学部・学科を開設するには、開設する年度の前年度の5月1日から31日までの間に文部科学大臣への認可申請が必要となる。ただし、学位の種類や分野を変更しないなど一定の要件に該当すれば、大学はあらかじめ文部科学大臣に届け出ることにより、認可申請せず学部・学科を設置できる。届出期間は4月1日から12月31日までとなっているため、今後も学部・学科の設置届出が行われる可能性がある。