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元気な女子大学

元気な女子大学
このところ、高い教育力や就職力を発揮する元気な女子大学が注目されている。
全国の4年制大学に占める女子大学の割合は1割程度だが、女子大、女子短大に入学できるのは、もちろん女性のみ。
一時期低迷していた「女子大人気が復活した」とも言われているが、女子生徒の選択肢の一つである女子大学について、その実力と魅力を考えてみたい。

アイデンティティーを貫きながら時代に応じて進化する女子大

第8回サイエンスフェスティバル

第8回「サイエンスフェスティバル」は、8月31日に東京女子大学で開催された。

日本には今、「女子だけが学べる女子大学」はあるが、(男子のみが入れる)男子大学は存在しない。明治時代の大学は男子学生のみを対象とする教育機関だったが、そうした中で、日本で初めて女性のための専門的教育や高等教育を担う学校「女子大学」がスタートした。以来、1世紀以上にわたる日本の女子高等教育の歴史の中で、いくつもの個性的な女子大や短大が全国各地に誕生し、それぞれに独自の教育を展開してきた。

しかし、近年の少子化の影響もあって、4年制女子大学(以下、女子大)は、1998年の98校をピークとして減少傾向が続き、現在は全国に78校(国立はお茶の水女子大学と奈良女子大学の2校、公立は群馬県立女子大学と福岡女子大学の2校、私立は74校)。特に地方では、女子大の共学化およびそれに伴う名称変更が多数行われてきた。そうした状況下でも、首都圏には国内の女子大の4割以上が集まり、さらに東京には日本の女子大の4分の1以上が置かれている。

首都圏に創設されて、建学の理念や自らのアイデンティティーを貫きながら歴史を刻み続け、時代に応じて進化してきた女子大は少なくない。女性の社会進出が進み、女子教育の在り方も変化しているが、社会的に自立した女性の育成を目指して、ライフデザインまで含めたキャリア教育にしっかりと取り組み、独自性の高い女子教育の伝統を貫いてきた女子大、女子短大は今、確かな存在感を示している。

バラエティ豊かな学びと資格志向、実学志向の魅力

「首都圏の主な女子大・短大の設置学部・学科など」の一覧のとおり、女子大・短大には人文科学や家政学系統を中心に、教育学系統、社会科学系統、医学系統、芸術学系統、理学系統など、幅広い分野のバラエティにとんだ学部・学科や専攻が設置されている。工学系統と農(園芸を除く)・獣医畜産・水産学系統が見当たらないくらいで、学びの選択肢は実に多彩だ。

この数年、何かと話題になることが多い“リケジョ”こと理系女子を受け入れる理系学部・学科を持ち、女性研究者の養成、支援への取り組みに積極的な女子大も少なくない。女子中高生に科学の面白さや楽しさを伝え、理系分野への女性の進出促進をねらったイベント「サイエンスフェスティバル」は2007年にスタート。年1回企画され、8回を迎えた今年も、お茶の水女子大学、津田塾大学、東京女子大学、日本女子大学(五十音順)の4女子大学共催で8月31日に開催された。

首都圏の主な女子大・短大の設置学部・学科など
首都圏の主な女子大・短大の設置学部・学科など
※所在地:修学キャンパスが複数ある場合は本部所在地を記載
女子大・短大で取得可能な資格などの例
女子大・短大で取得可能な資格などの例
※[受]は受験資格 [任]は任用資格 [認]は認定資格 [登]は登録資格 [修]は修了証

少人数の親身な指導により資格にも就職にも強さを発揮

景気が低迷し、大学生の就職状況が厳しいと言われる中でも、高い就職(内定)率で注目される女子大がいくつもあり、就職というキーワードから、改めて女子大の教育力が見直され始めている。特に、2013年度入試では首都圏の著名な女子大の志願者数が増加したこともあり、「女子大人気の復活」や「実力ある女子大への期待」が話題になった。

女子大にはいわゆるマンモス大学は存在しない。多くが単科大学や1〜3学部ほどの小規模・少人数で、1学年100人〜数百人程度。さらに、1学年の入学定員が1,000人を超える比較的大規模な女子大でも、学科やゼミなどは少人数制になっていることが多い。設置規模にかかわらず、教職員と学生、学生同士の距離の近さや、一人一人の学生に目が行き届く少人数教育を重視し、“面倒見のよさ”が発揮されていることは、女子大の特長の一つとして挙げていいだろう。

そして、資格取得に直結しやすい学部・学科が多く設置されていることも女子大学の特色の一つだ。上の表に示したように、女子大、女子短大で取得が目指せる資格は、国家資格(国家試験受験資格)をはじめ多種多様。各種国家試験の合格率や合格者数などが常に全国上位にランキングされている女子大学も目につく。資格志向、実学志向の高まりの中で、“資格に強い”“社会人として役立つ技能が修得できる”ことは大きな魅力。着実な資格取得という目的のために女子大学で学ぼうと考える動機付けにもなるだろう。

独自の教育を展開している個性的で元気な女子大学

キリスト教(ミッション)系の女子教育機関を起源とする女子大学は多いが、その中には外国語教育に優れた実績を持ち、国際性の高さで定評のある女子大学や、人格教育を伝統として豊かなリベラルアーツ(教養教育)を掲げている女子大学も目につく。そこで養成される高い語学力やコミュニケーション能力は、就職活動のみならず、生涯にわたって社会生活にも役立つものだ。

特に伝統ある女子大学では、創立以来、女性の経済的自立のための専門教育・職業教育を行ってきた。充実したキャリアサポートや就職支援が期待できるのは、長い歴史の中で、その時代に対応したキャリア教育を実践し続けてきたバックグラウンドと実績を持つ女子大学だからこそ。それらの要因が相まって、学生を成長させながら社会人基礎力の養成を促し、就職活動でいい結果を出すことのできる“高い就業力”を実現させているのだろう。国家試験や多様な資格取得対策なども同様で、それが高い合格実績に結びついているのではないだろうか。

女子大学の“良さ”として挙げられるのは、「自然体で伸び伸び過ごせる」「密接な人間関係が築ける」「協調性が身につく」「リーダーシップが発揮できる」といった点。また、卒業生や先輩の姿から「目指すロールモデルが見つけやすい」というメリットも重要だ。まずは、ぜひ一度、キャンパスを訪れ、それぞれに個性も雰囲気も異なる女子大、女子短大の“元気な今”を実感してほしい。